近況について:新音楽制作工房の紹介とオリジナルアルバム制作
お久しぶりです。お元気でしょうか?
最近全くSNS(XやFACEBOOKなど)に顔を出していませんが、私は元気にしています。
あまりにもSNSから遠ざかっているため、近況をブログ・noteにアップすることにしましたよ。
今回は2つ近況報告があります。
▼報告1:2021年から新音楽制作工房に参加しています。
ブログやnoteでは報告していなかったのですが、
2021年に発足した菊池成孔さん主催の「新音楽制作工房」に初期メンバーの一人として参加しています。
音楽制作ギルド、作家集団という名目ですが、依頼に応じて音楽作品を提供する集団ですね。
↓は最近できた公式ウェブサイトから。
https://www.shin-on-gak.com/
HIP-HOP、POPS、ELECTRONIC作品へのビート提供、新曲の作曲、等々、ストレートに「音楽作品」に対する作品提供は言うまでもなく、映画、TV番組全般、TVCM、映像使用のモダンアート、等々、あらゆる映像メディア、コンテンポラリーからストリートまでのあらゆるダンス・パフォーマンス、ファッション・ショー、演劇、等々、あらゆる上演メディア、といった「音楽を必要とする、あらゆるメディア」に対して(また個人でお愉しみ頂く、個人消費に対しても)全方位的に我々の作品をご提供させて頂きます。
引用は以上。
引用元も含めた団体の詳細はこちらです。
https://www.shin-on-gak.com/about-us/
「新音楽制作工房」はカタログ用のyoutubeを持っていて、所属している作家用のプレイリストもあります。
カタログを通じて音楽の制作の注文や交渉もできます。
※私自身や、今私が書いているこちらのnoteやブログを通じて交渉・相談は受付していませんのでご了承ください
kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp
「新音楽制作工房」の手がけた仕事で現在一番知られているのは「岸辺露伴は動かない」「岸辺露伴ルーヴルへ行く」の劇伴です。
《新音楽制作工房のyoutubeページ》
当然私のプレイリストもありますよ~。
《伊藤佑輔 / Keysa》
なので上記のYoutubeチャンネルおよびプレイリストでは時々私の曲も投稿しています!
最新の曲はこちらです。
《死者の日(Dia de Muertos)》
上記の曲は新音楽制作工房屈指のビートメーカー : Satoさんとの共作です。
私は歌とラップと英語詞とメロディーを担当しましたが、メキシコを舞台にしたボーカル多重録音のゴシックR&B HipHopという謎の名曲になりました!
また「Lilla Flicka & 新音楽制作工房」名義で2022年にリリースしたアルバムにも1曲提供しています。
最後の曲ですね。
↓のように自分の作った曲が映画音楽に採用されたりしています。
「それぞれ異なった感情を欠落した兄弟姉妹」をテーマにした全世界公開のオムニバス映画です!
ありがとうございます。
新音楽制作工房の一員として現在世界同時公開中の映画:「almost people」に以下のピアノ曲を提供となりました。採用いただいて大感謝です!
— Keysa (@Keysa1021) 2023年10月6日
「それぞれ異なった感情を欠落した兄弟姉妹」をテーマにした独特の味わいのオムニバス映画ですよ。
詳細はこちら↓https://t.co/BzBNKBYFnc#AlmostPeople https://t.co/OmEdgUQUwG
オールモストピープル公式ホームページ
▼報告2:新しいアルバムを制作中
これがSNSに出没しなくなった最大の理由なのですが、去年からずっとアルバムを作っていまして、今年の3月ごろからそれがだんだん本格化してしまい、完全に自分がアルバム制作モードになったからですね。
前回(2020年)にも一度アルバムを制作してネットに公開しましたが、今回作っているアルバムは前回の反省を生かしてよりクオリティの高いアルバムを作っています。
というか以下の点で前回とは全く異なるアルバムになります。
・歌詞は全部英語
・前回はギター・弾き語りだったがすべて打ち込み・ボーカル・場合によってはギター、というマルチトラックのレコーディング
(なのでフォークっぽい曲が1曲もない)
・ボーカルはほぼ全曲でコーラスを多重録音。
・前回は8曲でしたが今回は13曲(1曲インスト)の予定
・前回は以前20代の時にギターで作った曲を集大成的にまとめましたが、今回はほぼ去年から作り始めた曲ばかりです。
また、前回はサブスクの配信とバンドキャンプでの配信・販売のみでしたが、今回は完成したら外国のレーベルにデモテープを送りまくって(笑)レーベルから出す予定です。
今度のアルバムは歌詞が英語なので外国のレーベルで出したい。
何で英語なのかというと、10代のころからずっと英語の曲を作りたかったから。
今まで歌詞で感動した曲や影響を受けた曲は英語の曲ばかりだったから。
いわゆる洋楽がなかったらわたしは音楽活動を行っていない可能性がかなり高いです。
でもずっとできなかった。
日本語が母語だから日本語で歌詞を作るべきでは?という思いと、英語ができないから勉強しないと無理、という思いがあり、ずっとできませんでした。
しかしながら最近になってGoogle翻訳やGrammarly、Chat GPTなどで英語の文章や歌詞を書く敷居がとても低くなったこと。
日本語の歌詞については、ボカロ曲を作ったり、以前日本語の歌詞で頑張って作ったものをアルバムにまとめたりして、日本語で歌詞を作ることについて自分なりに仁義を通すことはできたなと思っています。
今現在は全13曲のうち7曲のデモができていて、8曲目を制作中です。
歌詞は1曲はインストで、その他全12曲のうち9曲分まで作りました。
なので2024年の上半期にはデモを全部作って、2024年末にはリリースしたいなと思っています。
英語で歌詞を作れるようになったり、ボーカル多重録音に慣れてきたり、ここ10年くらい色々勉強したり実験したりした甲斐もあり
底知れないというか、凄いアルバムになりそう!
という事で鋭意制作中です!
お楽しみに~!
▼まとめ
ということで2023年は新音楽制作工房関連での楽曲制作とアルバム制作という近況だったのですが、来年も同じ感じになりそうですね。よろしくお願いします!
それではどうぞよいお年を。
OverTheControlEP③/まとめ:東京オリンピックが終わった後に残るもの
歌詞は(動画でも読めるけど)こちらです。
このラップは正直オリンピックを笑い飛ばしているようなものなので(笑)内容ちゃんと読むとシリアスだけど観た方が面白ければそれでいいや。
オリンピックは一体どうなるんでしょうかね??今このラップを作っていたら、バッハ会長やコーツ副会長の事をネタにせざるをえなかったことでしょうね。それにしてもなんかうやむやに勢いでオリンピック開催しそうでなんか私はなんとなくイヤだなこういうノリはって感じですが(苦笑)とりあえずこの曲で態度表明ができて良かった。そして、そういえばとても重要な事を今まで書いてなかったんだけど、スラムダンク今度映画化されるって知ってた?
スラムダンク映画と共に、スラムダンクやジャンプネタを利用しまくったこの曲にも脚光が!!!なんてなったら楽しいけど、そういう脚光的な妄想をしている時点で楽しいからまあいいや(笑)
そして、この曲も元になった曲があります。いやーこれはですね、ドナルド・トランプの演説に合わせてビートを入れ、しかもドナルドトランプの演説をMIDI変換の技術を使って無理やり音程を付けるような感じに捻じ曲げる、という名曲(迷曲?)となってて、今改めて聴いたけど素晴らしいですね。
まずは聴いてみてください。話はそれからだ!!
いやー最近はさすがにニュースのネタにもされなくなったけど、トランプ時代って色々すごかったね。国会議事堂占拠事件とか衝撃的でしたね。この曲を聴いてると思い出します。全世界がトランプ派とアンチトランプ派で分裂するような勢いでしたね。で、この曲ですが、何が素晴らしいって、別にトランプを肯定も否定もしておらず、ただトランプのなんかお騒がせな感じ、なんかすごい傍若無人な感じ、なんか何をしでかすか分からないような感じ、そういう感じをうまく汲み取って表現するのに成功している所、そこがまず素晴らしい所だと思います。
この曲はなんか夢っぽい感じがするんだけど、それはたぶん夢の中では起きた出来事に対する判断がまともに働いておらず(そして夢を見ている人はそれに気づいてなかったり、もしくは実際には判断力をうしなっているのに判断している)なおかつ何か印象的で奇妙な結びつきを持った運動が起きていることが多いことが原因な気がします。きわめてエネルギッシュでシンプルなトランプの演説のエネルギッシュな威勢の強さと、そしてその内容について賛成も反対も何の判断も下してない感じが、夢っぽさになっている、という事ですね。途中で3連符が自在に混ざるリズムや、浮遊感のあるコードやシンセの音色も夢っぽさを増している気がします。
さて、この記事もそろそろ終わりです。そしてこれがnoteの記事であるからして、よほどのことがない限りこの記事はずっと残り続けることでしょう。なので未来に向けて書くのも良いかもしれません。この記事を読んでいる読者のあなた。あなたの今がいつのことかはわかりませんが、その頃には、あれだけ世界中で話題を振りまいたドナルドトランプと同じように、東京オリンピックはもうニュースにもならなくてっいるかもしれませんね。スラムダンクの映画は公開され、ラップでネタにした鬼滅の刃も、呪術廻戦も、ゴールデンカムイも、進撃の巨人も、アニメは全期終わっているかもしれません。
すべては真夏の蝉の命のごとく儚い。。。しかし、それでもかまわない!だって、その頃にはもちろんこの猖獗を極めているコロナの流行も終わってるだろうし、みんなマスクもせずに好きに人に会ったりライブやクラブや旅行に行ける事でしょうからね。いつかこの記事を読む人が、コロナの流行の事を思い出すのだろうか、とか想像するのは楽しくもあります。
OverTheControlは令和3年のある面を切り取ることができた。そして、人々はあまりオリンピック問題の曲(ラップや歌詞)を作らなかった。誰も作らないなら、思いついてしまった私が作らなければいけないと思いました。そして手を抜いてはいけないと思った。だから作れた時はなんか誇らしい気分になれた。やっぱり、そういうのがあると、楽しいよ。そういうわけで、今後も色々挑戦して作っていこうと思います。
今回出したEP全曲はこちらで聴けます。
OverTheControllEP②/放火
というわけで、OverTheControllEP2曲目です。
前回記事はこちら↓
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放火
妖精たちの、存在価値さえ、信じることのできない大人になるくらいなら、いっそのこと街を燃やして、黒焦げになった大通りを、何の疑いもなしに、夢遊病者みたいにさまよい歩いている方が、炭の匂いやプラスチックの溶けた匂いを、嗅ぎ比べて時間を潰して楽しんでいる方が、何倍もましだと、そう言った
松脂だとか、骨の折れた傘だとか、燃えさしばかりが気を失っては,、蹲っている、窓のない町並み、刺青のように虹を彫られて、アーモンドの匂いと、桃の花の匂いが、雨を降らせる前の気分のように、目の前にたちこめる、ずぶぬれになる前に、シャワーを浴びて、庭に出て、けものたちの匂いが、かすかに空気に混ざりこんでいるせいで、この夏の気候は、熱中症で青紫色に衰えたみたいで、懐かしいくらい
ひろげたリョウテ、負荷をかけていっては、不可能なものを抑圧していく、生え生えにぎらついている、山国をたたき台にして物語を作る、奇妙な叢、あらゆる絶望感への耐性を勝手に獲得してしまう往生際の悪い微生物みたいに、ウイルスみたいに薄情な言葉を口紅で書かれた、いつまでもいつまでも、気色悪い言葉を吐き出している姿を見るのが、少しつらい、つらいあなたを追いかけていたいから、木陰からそっと見つめる、でも絶対にきづかれてはいけないって、高校時代はそんなことばかり思っていたって、彼女はそう言った
いつか同じものになって、塵に返って行く前に、振り返えらずにはいられない、それが意識の特権的な貴族性だって、子供みたいにうれしそうな顔で、笑っていたあの頃のあなたに戻ってほしかった、だから戻ってよ、厭です、どこにも戻る場所なんてありません、だってこんなの話がちがう、だって生まれた街の幽霊があんなにも紫色をしていたなんて思ってもみなかった
自分たちの手を汚してますます綺麗になって、痙攣していく瞬間に、あしもとが泥でできてることを知らない女は馬鹿になる、要するに戻る場所なんてないんです、と、わざわざ敬語で言わなければならないやるせない心情を理解してとりあえず複雑な気持ちで思いやった、些細な場所にまで地雷をしかけた分だけ人生は崇高になる
野球部員を木陰からそっと見つめながら高校生活を棒に降った、しかも誰にも気付かれず、野球なんてキライだ、野球が生き物だったら毒まんじゅうを食べて死ねばいいんだ、と、いう内容のことをできる限りやさしく無邪気な子供に言い聞かせてみたくなる午後だった、毒まんじゅう、という言葉の意味をあどけない姿でどことなく誤解したまま思春期を迎えてほしいと思った
誓いによって純潔になった分だけますます血をほしがる、死んだ女によどんだ水の中で魚のように自分を寝取られる幸福にとりつかれている、そんなあなたがぬるま湯みたいに感情的になって、内臓的になって涙を流したりカンカンになって怒ったりするのを、馬小屋に詰まれた藁のベッドにうずもれて、さかさまになっている両足の間からずっと見ていたと、彼女は言った
うさぎの赤い目を見ていたら、自分の身内までぬいぐるみになった気がして、うなぎのぼりになってあがっていくエレベーターのガラス張りの窓から新宿副都心の町並みを鳥瞰して諦めがやっとついた
ぬいぐるみ計画が失敗した後のためらいとかすかでなげやり気味な後悔が、不意に胸骨をきしらせる、あふれかえっていく爽やかな三角帆、見離した海空を軽やかに身ごもったまま、体中をめぐっている血の色がしだいに黒くなるのをきにかけている、とても熱い、多分火が燃えている、一体何回位燃やして回ったら気が済むのかしら、と、妖精たちの、犠牲になって、彼女はしずかにつぶやいている
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というわけで詩の解説。この詩は実はもう10年くらい前に作ったものをポエトリーリーディングにするために少し推敲した内容になっています。10年前は高円寺に住んでいたんですが、当時そこで不審火による火事が何件かあって、たまたま住んでいたアパートから駅に向かう途中でその燃えた跡地(ちなみにその時は死者はけが人はいなかった)があって、そこを歩いていた時の事がなんとなく元になって作った詩です。なんか印象的な体験をすると詩を作りやすいので、外に出歩くことは大事ですね。今はコロナのせいであまり出かけづらい世の中ですが。。詩の内容に関しては個人的には不思議ちゃんな内容で楽しくて気に入っております。。今と全然違うのは、特に韻を踏んではいない事ですね。
さて、ビートの方ですが、とりあえずこちらをご覧ください。
そう、もともとはこういう曲だったのです!お坊さんの講話なのです!蝉の命の儚さです(!)だからビートが蝉なのです!関西弁に味があります。こっちの原曲の方がカオス感みたいなのがあって、こっちの方が蝉っぽさが出てる気がしますがどうですかね??
OverTheControl EP① /ある子の精霊指定都市
はっきり言いましょう。この3曲は、すばらしいビートを提供してくださったdjaponさんのおかげもあって、ポエトリーリーディングやラップの音源作品としてはかなり稀有な作品なのではないかと・・!!(自讃)
というわけで、メインタイトルになっているOverTheControllは前回の動画でラップ歌詞を読めるようになっているので、残りの2曲の詩についてものせようと思います。まずは2曲目。ある子の精霊指定都市から。
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ある子の精霊指定都市
ある子は枯れ果てた平家物語にでてくるような精霊たちに幽霊たちに、亡霊たちに、指定された都市に住民登録を済ませた、聖なるろくでなし、みうしなわれた平家の陛下のみなしごだった、色とりどりのロジックと、地形図と、智慧の、あらゆる時空間のパラメータでできた妄想と、香草と、昇華酵素を、光速で組成し、抗争を繰り返して死者を出しては蘇生していく、強度に都市化されすぎて構想段階でついえた王道楽土の残骸に住んでいる、おさなごだった。
彼はこととう異国の碧い鳥たちに匿われ、もののあわれに拘束されたまま、永遠に、運命に控訴し続ける、皇帝のように高貴な思想の申し子だった、口から泡を吹いて、ものぐるおしい、泡たちは淡い色をして滴り落ちるくちなわになっていく、そんな死相から、死兆星から逃れるように、もののみごとに失踪していく、シックなシステムを実装した有機的なアルゴリズムのある子だった。
アステリズムの羽衣にくるまれ、くれなずむある子は、歯槽膿漏のように、呪われ、ひびわれ、禁止を越えては増殖していく、冬という現象の、少年の歌声になって燃焼していく銀糸のような、原初の菌糸に、きらめいているこども、紫蘇の葉の形の、鱗をなくして、かつて始祖鳥から進化していった種族のように、自然淘汰と遺伝子エラーによって次々に構造を変えて行く、類似した響きを継々に肯定していく、太古からの人類の声帯を起源に持った生態系だった。
演奏され、演算され、演繹される、水の駅、背負った怒りを下ろして静かに停泊するステーション、中秋に、氷河のように抽象され、傷ついた塩の結晶のような瞳をして、丁寧に包装されたテレパシーを放送する、奇妙な王笏にはめこまれた、桜桃のようになめらかな宝石たちに、それ相応に、応答しながら、東欧に向かい、光のセキをしながら、くたびれて最後は正義を譲渡していた、そして房総半島で、水疱瘡にかかった子供の見る夢のように暴走する黄銅鉱に水葬されていた。
オートマティズムにかかったある子は、聖水で両足指を涼しく濯ぎ、生命的な精霊たちを呼び寄せる、鈴飾りをつけてあしのいでたちを正装していた、そうして踊った、成層圏で、清楚な栄枯盛衰を幾星霜にも渡って繰り広げている、織天使たちみたいに、調香されて、調合されて、ちぎれて幽霊になった腸の群れが次々に蝶たちに羽化していく、そんな兆候に満ちみちて。
シャーマニズムに彩られている、古代中華の楚の国の末裔みたいに、素数でできた未来のしらべを、ト長調で、味蕾から流す、つぼみをさかせるひなげしを、育成していく、アーティフィシャルなインテリジェンスを幾重にも装備して、歌われる、その十六夜に、いざなってくるのは、人はいさ、心も知らず、イザナミの血を引く、アルゴリズムの、ある子の、リズムだった。
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この詩は今年(2021年)1月に作った詩ですが、まだラップに目覚めてはいませんでした。ただ、かなり韻を踏みまくっている、というか韻で作っている、といのがこの詩の個性になっていると思います。
さて、この曲なんですが、もともとはdjaponさんが作ったこの曲が最初にありました。コロナウイルスが流行する前に大規模なパンデミックの警告をしているビルゲイツの演説動画に、作ったビートを載せています。
これはこれでカッコいい、というかラップとかポエトリーの面白さの一つは、このように同じビートに全く別のビートを付けたり、一つラップや歌詞に、全然違うビートを付けられることがあると思います。歌だとこうはいかない。ちなみにこの動画でdjapoinさんはプレステのパーカーを着てますが、わたしの家はセガ派だったので見ているとサターンのパーカーを着なければいけないような気分になりますね。全然関係ないけど、最近メガドライブミニとかゲームギアミクロ | セガとか出てて私は本当にびっくりしました。子供の頃に欲しいけど高くて買えなかったメガCDミニとかでてくれないかな・・・
OverTheControl(問う、狂Olympic~先生バスケがしたいです~)
純粋な驚き。あまりにもトラブルが起こりすぎる、東京オリンピックについての。。。というわけで、オリンピック問題をほぼほぼ網羅するラップを作ることで、何が起きているのかを考えてみました。裏テーマはスラムダンクの台詞ですね(笑)
DJ/トラックメーカーのdjapon(ぢゃぽん)さんに担当していただいてます!
https://www.youtube.com/channel/UC5xv4BATaFmfIPYRJeyCjkg https://twitter.com/djapon
オリンピック、本当にどうなるんでしょうね。
スポーツの楽しさや感動を通じて世界中の人々を結び付ける、というような五輪の理念をないがしろにした結果こうなった感はあるのでは、という気がします。
↓は歌詞です。
時は2021年3月18日
「オリンピックはオリンピッグ」だなんて
言ったヤツご自身にアイスピックを突き刺す発言が点火して
火の手が上がった
燻し出される昭和の宴会芸のノリの香り
言葉が焚かれて全てを滅ぼす刃になって
白い狼煙が呪いのようにまつわりのぼり
時代錯誤的なライムからの苦い味わい
世代の亀裂と未来の拒絶に気絶してしまう
為政愛者たち
ふるいにかけられ震えて眠る
古いロマンの賞味期限を理解して
令和の時代にこの事態
ばらまいたまま放置されてきた固定観念がその地雷
重ね重ね浮上して起爆する不祥事
フェアネスの不所持
世界的に広がる婦女子への差別への怒り
地球規模でおろされる碇
碇シンジもびっくりな時代の移り変わり
作り直したシナリオは別の結末になって終わり
アテネの女神ももう心変わり
それは日本の何をホカンしたのか
復興の象徴はむしろ衰退の症状
高度経済成長を懐古しているおじいちゃんの疲れた表情
老々介護するおばあちゃんを温泉で養生
おもてなせないこの土地で
おもてにだせないこの土地で
おもてに出れないこの土地で
急に何かを思い出す
何かがおもてに現れる
ゆらぐ
ゆらぐ
ゆらぐ
ゆらぐ
ゆらぐジシンに震えて眠る
Over Over
Over Over
Over The Control
次のニュースは3月20日
外国からの観客の受け入れを
断念したって話をきいた
悪い話しはニュースにのってやってくる
盗作沙汰でFireになったのは
Emblem
盛りだくさんのProblem
予算超過の競技場と
口から生まれるガラスの天井で
予想以上のトラブルで炎上
こんなに色々起きるだなんて
誰に予測ができただろう
誰も昭和に生きてなんていない
平和な時代かは分からないけど
平成ジャンプに失敗しても
少年ジャンプは生き残る
「先生バスケがしたいです」
読んで泣かない奴なんていない
それは言い過ぎだとしても
長男でなければきっと耐えられない
「ほんとうに負傷しても気にしないのか」
「招致した五輪の放棄を承知しないのか」
「法外な賠償金のせいで迂闊に中止もできないのか」
それでも未だに忘れてはいない
超過残業で亡くなった
工事業者たちの犠牲のことはね
経済効果への涙ぐましい連帯
ウイルス対策に打ち砕かれる千客万来
蔑ろになる理念への期待
「宣誓、わたしは正々堂々
バスケがしたい」
まるでマイケルジョーダンみたいに
でも冗談みたいに様々な情報
昭和だったら「俺でなきゃ見逃しちゃうね」
宮城で多勢のボランティアが辞退する現状
烈火の炎だった聖火の炎は劣化して風前の灯火同様
この惨状はもはや何かの実験場
考えてしまうのは開催返上
東京渋谷に起こった事変
様々な事案が巨神兵になって次々に進撃して
何重にも取り巻いていたFirewallが
雪崩をうっては崩れる異変
ノスタルジーで作られた昭和時代への異世界転生
女神転生みたいに名誉と利益の
ゴールデンカムイを呼び出してパーティーを編成
それは平成をジャンプしても生き残るFinalFantasyみたいに
面白いゲームに違いなかったんだ
たぶんもっと純粋な気持ちで盛り上げたかったんだろう
間違いを認めた人は謝って辞めてはいるんだ
間違えた人だけで企画した訳ではなかったんだ
是非はさておき値する同情 すがりつくプライド
YO!
「でも時代は変わったんだ」
「男はつらいよが映画になる時代はもう終わったんだ」
不意に襲われる存在しない記憶
「オリンピックは
とっくに終わっていたはずだった」
想定外の事態の可能性を笑い
都合の悪い事実を頭で振り払い
求めていたのは夢と報酬
そんなん大丈夫だって油断してたら
顰蹙を買いまくってメンズのメンツに火がついて大ショック
ジャブが溜まって現実逃避のシャブ漬けになって
ノックアウトしてジョブを失う
それを非難しようとは思わない
すでに報いを受けた者には
誰だって大正時代のInfluenzaの生まれ変わりが
Influencer全盛の令和に領域展開なんて思わないさ
そんな不幸なジャイアントステップよりも
思い出したい
あの日の原田の大ジャンプのほうを
大事な所で決して転ばなかった
浅田の華麗なステップの方を
それはたしかに時代は変わる
だが老害と非難しているそのくちびるも
いつかは老いる
そしたら後悔するかもしれない
同じ立場になるかもしれない
リッチになったら貧困にも香港にも目がいかなくなり
都合の悪いことは何もみたくなくなり
怒りにそまって無限にエスカレートする非難にもいつかうんざり
「例えば動機が人道的でも」
「出過ぎた言葉は時に人を殺める」
「ペンは剣より強いって言うのは」
「恐ろしいことだって人は忘れる」
「そしたら忘れた報いを受ける」
AKIRAみたいに
昭和の最初の五輪みたいに
中止になるかは分からないけど
「こんなに問題が次々に起こって
社会の負の部分をまとめてAKIRAKAにしてしまう」
「そんな事態はそうありません」
「辞退するにしても開催しようとした意味はあったのかもしれません」
令和の中で生きのこってた
息を潜めていたものが
覆いを取られて露わになった
時代は変わる
昭和は二度死ぬ
ああ、でも割り切れることしか教わらない
小学生にはわからない
あまりにも色々なことが起こりすぎた
あの美しい小惑星のことは
星の光に隠されてしまう女たちの悲劇のことは
流れているのは男たちの晩歌
令和もいつか
だけれど
ずっと変わらないものもあるんだ
生まれ続けるものもあるんだ
「先生、バスケがしたいです」
これから生まれる未来にとっては
文字通り全てが先生なんだ
政治家先生、学者先生、社会を語る動画の先生、
詐欺師の、ヤクザの、犯罪者の、
右翼の、リベラルの、フェミニストの
わたしの中の、あなたの中の
世界のあらゆる先生に
ありとあらゆる制御を越えて
ありとあらゆる正義を越えて
生まれ続けるSENSATION
そう今も
コロナを伝える風に混ざって
途切れ途切れに
かすかに聴こえる
「先生、バスケがしたいです」
「先生、バスケがしたいです」
「宣誓、わたしは、正々堂々」
「ばばばばばばばばばばばば」
(略)
先生、バスケが、したいです
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動画編集はVSDC動画編集を利用しています http://www.videosoftdev.com/jp
動画はzoomのミーティング機能を使って 動画素材をバーチャル背景に設定して作っています。(ミーティングでバーチャル背景を動画に設定するとすごくプロモっぽくなる!動画投稿とかする方はおすすめ!)
画像/動画の素材は 以下のサイト様を利用させていただきました。 Pixabay https://pixabay.com/ フリー素材.com https://free-materials.com/ pexels https://www.pexels.com/ 動画素材.com https://www.dsp.co.jp/tocreator/movie/tips-movie/video-footage/ ニコニココモンズ https://commons.nicovideo.jp/ 権利部分は確認の上利用していますが、 画像や動画利用について問題があればご連絡ください。 #東京オリンピック #スラムダンク #日本語ラップ
ラヴェルの歌曲Sainteをカバーしてみました。
フランスの作曲家、モーリスラヴェルの歌曲「Sainte」(「聖女」と翻訳されることが多い)のカバーしてみました!
もともとラヴェルがフランスの詩人マラルメの詩に曲を付けた曲なのですが、歌詞は少し意味を変えた内容で翻案したものにしています。コード進行はかなり変えています。
SAINTE(ステンドグラスの聖女) Joseph Maurice Ravel covered by Keysa(きーさ)
↓はsoundcloudです。ページ内でダウンロードもできますのでよろしければどうぞ。
ステンドグラスの聖女
窓のむこうでそっと落ちていく光
午後の静止の刻(とき)を 数えている
隠れた教会で 祈っている人の
永遠の嘆きをいつも 護りながら
竪琴を爪弾く その細い指のしらべから
舞い降りた 天使の翼は
描かれたステンドグラスから 流れ落ちて
やわらげていく
罪の声を
やすらかな願いに
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もともとこの曲はマラルメのsainteという詩にラヴェルが曲を付けたものなのですが、その詩の内容に沿いつつ歌詞も少し変えました。
なので翻訳というより翻案ですね。
曲のアレンジはだいぶ変えています。
もともとはこういう曲ですよ。
ではもともとはどういう詩でしょうか。
マラルメの詩はいくつか翻訳があるのですが
著作権問題があるので直接引用はできません。。
わたしはフランス語ができないので、
グーグル翻訳と既存の複数の翻訳を元に、
だいたいこういう詩だろう、というのを書いてみました。
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聖女
かつてフルートかマンドールとともに
きらめいていたヴィオルの
色あせている古い白檀を
隠した窓には
むかし晩禱や終課のときに
流れる聖母マリアの賛歌の書かれた
古い書物を繰り広げている
淡い色をした聖女がいる
聖体顕示台のガラスを通して
夕暮れの飛翔の天使の翼が
繊細な指のためにつくられた
その竪琴をかすめていくと
古い白檀も古い本もなしに
楽器のような羽毛の上で
彼女はその指を揺らしている
ステンドグラスに描かれた
この沈黙の音楽家は
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そして以下は
引用しやすくて良いですね。
Sainte
Le santal vieux qui se dédore
De sa viole étincelant
Jadis avec flûte ou mandore,
Est la Sainte pâle, étalant
Le livre vieux qui se déplie
Du Magnificat ruisselant
Jadis selon vêpre et complie:
À ce vitrage d'ostensoir
Que frôle une harpe par l'Ange
Formée avec son vol du soir
Pour la délicate phalange
Du doigt que, sans le vieux santal
Ni le vieux livre, elle balance
Sur le plumage instrumental,
Musicienne du silence.
Stephane Mallarme
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気になった方はどうぞ邦訳が色々出ているので手に取ってみるのもよいかも。
個人的に一番無難な気がするのはこれかな。。
翻訳の巧拙はわかりませんが、
比較的手に入りやすくこなれている感じがします。
次はこちらかな・・・
この翻訳は昔から定評があるものですが、昔なので言葉が時代を感じる内容です。
なお
詩にでてくるヴィオルはヴィオラダガンバ。弦が六弦ある昔ヨーロッパで使われていた楽器です。
↓にヴィオラダガンバやマンドールの解説がありました。
なお、ラヴェルは他にマラルメの詩に曲をつけた歌曲を書いています。
マラルメの3つの詩、というものですが、
saiteよりも後に書かれ、楽曲もアンサンブルも複雑なものになっている
この曲の方がマラルメの詩の感じが出ている気がします。
さすがにこれのカバーは難しい・・・
Maurice Ravel - 3 Poèmes de Stéphane Mallarmé
菊地成孔さんとADHDのペンギン大学生徒(ブログ筆者)の往復メールの記録
このブログを購読いただいている方も、
あるいはそうではない方も、こんにちは、あるいはこんばんは(SPY FAMILY風)
いきなりこのタイトルはびっくりしますね(苦笑)
この記事の直接のきっかけは一昨日2/16に投稿したブログ記事と曲の動画にあります。
今回の記事はこの前回の記事の続編というか顛末みたいな話です。
なので今回の記事を読まれる際は前回の記事を読むと経緯が分かる話になっています。
曲の動画はこちら↓
南極行って頭冷やしてこい/Go to Antarctica !Cool your head!(Lyric Video) KEYSA and D-TAK
この記事を書いた後わたしは菊地成孔先生に動画やブログを書いたことについて
事後報告のメールをしました。
先生の希望でその後のメールのやりとりをネット上に公開することにしました。
詳細およびメールの記録はこの記事の後の方に出てきます。
が、分かりやすいように先に重要な内容だけかいつまんで書きますね。
なぜメールのやりとりを公開する事にしたかというと、
前回のブログ記事を書いた際、私が書いていなかった点を先生が指摘されたからです。
それは、ADHDの当事者として、ペン大の授業で生徒として出席していた際に
先生からADHDに対する差別や差別的な言動を感じたかどうか?
という点です。
確かにわたしはそれは書いてなかった。書いてなかった理由は単純です。そんなことは考えたこともなかったから。
先生のご希望としては、実際にペン大で差別的な扱いを受けたと感じたのかどうか、授業をどう感じていたのかを知りたいし、第三者にもわかるように公開してほしい、という事でした(ちなみに今まで事務的なメールのやりとりを交わしたことはありますが、このような長いメールのやり取りをしたのははじめてです。なので授業をどう感じていたかという話をする機会は今までなかった)。
で、これからメールを公開するんですが、結構長いです(苦笑)
なので先にわたしの返信の結論だけ書きます。
特に先生から差別的な扱いを受けたと感じたことはなかった。
という事です。
でもそれ具体的にどういう意味で言ってるの?という話に当然なるかと思います。
それを含めた細かい話は以下の往復メールの記録を読んでいただければと思います。
元々わたしはPCでメール書いてるんですが先生もそうなのかな?
いずれにせよ長文なので、PCかタブレットで読むのをお勧めします。
※そのままコピペしたものだと新しい順にメールが載ることになり読みづらいので、時系列順に並べなおしています。
※なお、わたしの普段使う個人用のアドレスからペン大のアドレスに送ったので、
わたしの判断で両方のメールアドレスは消しています。この往復メールでの私への意見や確認などはコメント欄になどにどうぞ。
本当にあの菊地成孔さんのメールなのこれ?という方は当然居られると思いますが
わたし自身からはメール本文と俺の言葉を信じてくれ!くらいしか言えないので(笑)
先生への確認やご意見をご希望の場合は菊地成孔公式HPのメールアドレスにどうぞ。
-------------------------------------------------------------------------------------
1通目 筆者(Keysa=伊藤佑輔)→菊地(敬称略)
From: ■■■@yahoo.co.jp" <■■■@yahoo.co.jp>
To: ペン大事務局 <■■■@kikuchinaruyoshi.net>
Date: 2021/2/17, Wed 02:27
Subject: ペン大BM&C在籍の伊藤佑輔です。Twitterの件に関連して新曲の動画を作った報告です。
菊地先生
こんにちは。
ペン大BM&C在籍の伊藤佑輔です。
お忙しい中恐縮です。いきなりのメールを失礼します。
実は最近あったツイッターでの先生と町山さんの騒動を拝見しまして、
私なりになにかしらの返事をしなくてはいけない気になってしまいました(笑)
前置きとして先に書きますが、twitterやブログ記事から総合的に判断し
私は先生が在日差別やADHD差別はしてないと認識しています。
なので今回の件の心労は心からお察しします。。
で、なぜ返事をしなくては、と思ったのかと言えば、数年前に私が病院でテストを受け
ADHDとASDの診断を受けたからです。(あと診断を受けていた時期に潰瘍性大腸炎を発症しその後寛解し現在にいたります)
Twitterかブログの菊地先生の発言の中で、ペン大にはADHDの生徒もいる、というのがあったのですが、
私はその生徒に該当してしまったということになります。
私は自分がADHDだとは伝えてませんでしたがそういうことになるなと。(とはいえ先生はわりと高い確率で授業中このコミュ障っぽい生徒はADHDでは?と感じたのではと思っているのですが・・・)
つまり私は当事者になってしまうので、自分なりに何かしら応答する必要があるように感じたのでした。
(例えば仮に「いやペン大にADHDの生徒がいるなんて嘘でしょ」という方がいるとしても、私の存在自体がADHDの生徒がいることの証明になるので)
そこで数日考えていたら・・・ある日唐突にラップができました!
そしてBM&C在籍の高橋さんにビートを提供していただき
高橋さんのビートがヤバイのでラップしやすい!という幸運のもと曲を作り、リリックビデオを作成しました。
https://youtu.be/lWAl5jAjHH8
経緯は詳しくブログに記載してあるので、よろしければお手すきの時にご笑覧ください。
https://pagansynonym.hatenablog.com/entry/2021/02/16/222215
ADHD云々はさておき、私はかなりコミュ障っぽい所があるという自覚が昔からあります。
正直動画やブログの公開前に報告するかどうかかなり迷ったのですが、それはそれで負担になるのでは、という気がしたので
事後報告という事にさせていただきました。
ブログも動画もですがこの件で人々に余計な燃料投下をしてないような配慮をしているつもりではあります。
ただ、問題があれば取り下げたり修正したりしたいと思うので、そのような事がもしあれば
遠慮なく仰っていただければと思います。
わたしはまともにラップをするのは初めてです。
ただ昔からずっとラップをしたいと思っており、今回の騒動のおかげでリリックを唐突に思いついて人生初のラップができたので、
何か申し訳ない気持ち(苦笑)と強い感謝の両方が複雑に混ざったものを感じています。
一聴してすぐわかるかと思いますが、DTchainsawの池田さんのラップと、
JAZZ DOMMUNISTERSのラップの影響が強いラップになっている気がしています。
以前JAZZ DOMMUNISTERSトラック提出の時にペンデレツキやクセナキスのサンプリングを入れたものを提出してしまい
ご不快をかけてしまったことへのお詫びではないですが(苦笑)あの時に集中的にJAZZ DOMMUNISTERSを聴かなければこのラップはなかったか
もしくは全然別のものになっていたのではという気がします。
今回の騒動は非常にストレスの溜まるものとお察ししますが、この動画が少しでも気晴らしになれば幸いです。
コロナの続く世の中ですが、どうぞご自愛くださいませ。
いつになるか不明ですが次回の授業を楽しみにしております。
伊藤 佑輔
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2通目 菊地→筆者
----- Original Message -----
From: ペン大 <■■■@kikuchinaruyoshi.net>
To: "■■■@yahoo.co.jp" <■■■@yahoo.co.jp>
Cc:
Date: 2021/2/17, Wed 05:06
Subject: Re: ペン大BM&C在籍の伊藤佑輔です。Twitterの件に関連して新曲の動画を作った報告です。
伊藤くん菊地です。
長い受講歴を持つ伊藤君がADHDなんて知らなかったし、思いもよらなかったよ笑。僕が「生徒にいる」としたのは現在のペン大ではなく、過去のペン大と、現在の美学校だ。ってか、程度の差を取っ払ってしまえば、毎年どっちにもいる笑。
だから、前述のどちらも、少なくとも伊藤君よりは特徴が強かったし、生徒同士の才能を比べたらいけないけど、伊藤の方が遥かに才能がある。ストレートにいうけど、君の作品は凄い(今回のラップは、何せ初トライだから、いつもの作品に比べると、危なっかしさがあるけど笑)。恐らく、クラスの仲間もそう思ってるんじゃないかな(あのクラス全員凄いけどね笑)。伊藤君みたいに才能溢れる音楽家が生徒でいてくれることを誇りに思うよ。
今回、カムアウトを引き出してしまい、若干心配してるけど、少なくとも僕と、クラスメートはみんな、伊藤君がADHAであろうと何であろうと、そもそも気にもしないし笑、これからも気にしないよ。
いうまでも無いけど、僕はADHDであろうと統合失調症だろうと、双極性障害だろうと(これらの「精神病」にカテゴライズされる病を罹患している生徒は、過去の生徒だけど)全く差別意識はないし、ペン大では他の生徒と変わらず普通に接していた。ペン大の歴史はもう30年近くになるけど、精神病者でこちらから退学勧告を出した生徒は1人しかいない、その生徒だって4年いて、最初からの病症がどんどん悪化して、授業中に奇声を上げながら歩き回るようになったんで笑、丁寧にメールを書いて、精神科医の紹介もして、退学してもらった。その人だけだ。
なんていうのかな、応援ありがとう、かな?笑。生徒に気を遣わせてしまって、先生としてお恥ずかしい限りです笑。内容に問題がある筈ない、だから修正も取り下げも一切しなくて良い。むしろ、この件の副産物として、君が新しい作品を生み出してくれて嬉しい。ラップはあっという間に上手くなるだろうし、ビートメーカーには事欠かないからな笑。次の作品を気長に待つよ笑。
ただ、今回ね、恐らく多くのギャラリーが気にしているのは、「ADHDたる伊藤くんが、長い受講の中で、僕に差別的な扱いを受けてきたかどうか?」だと思うよ。
僕の生徒である。というリアルな当事者からのレポートなのに、伊藤君のnoteでは、僕が差別意識を持ってない根拠を、全て僕のブロマガでの発言に依拠している。
君はリアルな当事者なので、「ADHDたる(知らなかったけどさ笑)生徒として、差別的な扱いを受けたと思うかどうか?」を添えた方が良い。「ああそうか!そんなもん自分の中で前提なので、わざわざ書かなかった!」って今、思ってるでしょ?笑
別に「菊地先生は素晴らしい人です」とかさ笑、そんな信者みたいのをくれと言ってるわけじゃないよ笑、生徒に僕の信者なんかいない笑、ただ、授業で差別的な扱いを感じたかどうか、それが書いてあれば、その方が一撃で僕や、クラスのみんなに差別意識なんかがないことが強く伝わる。
それにね、悪い奴はいるもんで笑、僕の発言の孫引きだけだと、猜疑心の深い奴が「彼は授業では差別的に扱われているのに、それが書けないから、菊池の発言の引用だけで固めたんだ」とか何とかさ笑、言い出しかねないでしょう?まあ、こんな狡猾な判断を、伊藤君にして欲しいとも思わないけどね笑。
その点だけです。もし良かったら返事を貰えるだろうか?伊藤君が僕から受けた授業をどう感じているか僕も知りたいし笑、そして、返事の内容に関わらず、その往復(この、エールと、伊藤君からのレス)を、公開してほしい、ほしい理由は、ここまで書いた通りだ。
じゃあね、何つうかその笑、君はいつでも人に楽しさを与えるね笑。コロナでずっと授業が潰れてんじゃん?だから久しぶりで作品が聞けて嬉しかった。
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3通目 筆者→菊地
----- Original Message -----
From: ■■■@yahoo.co.jp" <■■■@yahoo.co.jp>
To: ペン大 <■■■@kikuchinaruyoshi.net>
Date: 2021/2/18, Thu 02:36
Subject: Re: ペン大BM&C在籍の伊藤佑輔です。Twitterの件に関連して新曲の動画を作った報告です。
菊地先生
まずは素早いお返事をありがとうございます!
まずはエールを本当にありがとうございます。
これはこちらこそ嬉しかったです!
動画にしてブログにしても、あれだけツイッターで騒がれたことについて
書いているのでどう感じるか心配があったので安心しました。
今書いてるこのメール含めて、メールのやりとりの内容を公開するのは私は特に問題ないですよ。
はてなブログとnoteの両方(コピペしてるだけなので同じ内容)を現在利用しているので、
両方に「菊地成孔さんとADHDのペン大生徒の往復メールの記録」とか書く感じで、
twitterもやってるのでtwitterにリンクを貼る感じでどうでしょうか?
「先生」だと権威主義的な感じをもしかしたら人に与えてしまうかもしれないので。
もっともこれまでもこの後も先生と書いてますし授業でもそう呼んでいますが・・
・・・と書いたんですが、読み返すと、わたしのこの返信までをそのまま公開してほしい、
というこれは依頼ですね。。そうか。。いやそういう事だなこれは。。。
・・・了解しました。ありがとうございます。信頼していただいたと考えますね。
とりあえず公開前提で書きます。
問題の性質上具体的に書くので申し訳ないですが長いです。
そして問題なければ18日の19時に公開します。
このメールに何か問題があったり、後で気が変わったりしたら
「待って!ちょっとタンマ!やっぱさっきのなし!」
みたいな感じでメールをいただければ(笑)と思います。
内容に入りますね。
> ただ、今回ね、恐らく多くのギャラリーが気にしているのは、「ADHDたる伊藤くんが、長い受講の中で、僕に差別的な扱いを受けてきたかどうか?」だと思うよ。
> 僕の生徒である。というリアルな当事者からのレポートなのに、伊藤君のnoteでは、僕が差別意識を持ってない根拠を、全て僕のブロマガでの発言に依拠している。
>
> 君はリアルな当事者なので、「ADHDたる(知らなかったけどさ笑)生徒として、差別的な扱いを受けたと思うかどうか?」を添えた方が良い。「ああそうか!そんなもん自分の中で前提なので、わざわざ書かなかった!」って今、思ってるでしょ?笑
→言われてみればそれは確かにそうですね(苦笑)
確かにまず大前提として、先生から差別的な扱いを受けたと感じたことはないです。
ただ、仮に何か差別的な扱いを受けていたとしても、
①ペン大で私がADHDだと公言していなかった
②このメールでも先生が私をADHDだと感じていなかったことが分かった
ので授業で先生がADHDに対して差別的ではなかった、と断言するのは論理的に難しい気がします。
しかし、前提に戻りますが、授業中に私から出ていた気がするADHDっぽさの部分について先生がそこを気にされることはなかったと思います。
ADHDっぽいというのは具体的には、
①ひとりだけ落ち着きのない無駄な体の動き(ただしこれは曲にたいするノリの良さとして現れることが私は多い)
②極端なそそっかしさ(具体的にはこの前の授業時間の変更を忘れるとか、わりと授業に遅れてくるとか、他に動画で書いた自転車無くしてそれと別のタイミングで手帳落としてて気づかなかった件。ちなみに
他に社員証とか外国で財布とか外国で眼鏡失くした後にパスポート失くすとかギター失くす(2回)とか振り返るとレベル高いのを色々失くしてますが笑)
③感情というか衝動性むき出しっぽい曲の提出
④わりと高い確率で提出課題とずれた曲を提出してしまうこと
などの部分についてです。
(仮にADHDの人じゃなくても、面倒に感じたり引いたりする部分はあると思います。ただ私はADHDと診断されてから、生き方を根本的に変えた部分があり、それでその前より付き合いやすい人にはなっていると思いますが)
ただ少なくとも私は先生が私を差別ないし軽蔑をされる感じは受けませんでした。
また先生には何かヤバイ生徒やイレギュラーな事態にも寛容に対応する度量の広さはあると前から感じています。
これなら具体的にいくつか言えるので書きますね。
例えば
①BM&Cで最初に曲を提出した時に、音圧の異常な大きさに関わらず、他の生徒さんもわりと引いていた気がする(実際どうなのかは不明)
にも関わらず、どちらかというとそこよりもアンサンブルの複雑さやメロディーの単純さなどの楽曲の構造面を評価していただいたこと。
②(これはほぼ社会人の生徒ばかりという原因もありますが)生徒の遅刻や発言について寛容(今回の私のラップに対してもですが)
③ほかの生徒さんの曲も含め、提出した曲については、それがどんな曲であっても、全部ちゃんとコメントしており、批判的な事を言う場合でも、
建設的な批判であると感じられる事(こうしたら面白いのでは、とか、好みの問題もあるから自分が感じたことだけど、という前置きをされるなど)
④後、覚えてないかもしれませんが、私はモード理論の授業の途中から編入しましたが、お願いしたら一時的にモード理論の最初の方の授業も同時に受けられたこと。
⑤私が前に曲を提出した時に、狂気の話になって、育ての親が統合失調症だった話をされて、
うろ覚えですがそこからいわゆる普通の会社員よりも社会不適合な人へのシンパシーみたいな話をされていたとこと
など、融通利く部分は多いなと思っていました。
また、前に他の生徒さんが提出曲を出す時に、書面で深刻な病気だったことを告白された際に
「これ他の生徒さんに公表して良いの?」
と書面を読み上げる前に直接確認されていたりするなど、
人が「あんまり触れられたくないかもしれないこと」について
配慮はされているなというイメージですね。
少なくとも生徒を大切にしている印象は前からあります。
差別関係の話と授業の関わりについてはこんな感じで、
わたしの証言とさせてください。
>そんな信者みたいのをくれと言ってるわけじゃないよ笑
どうなんでしょうね。あんまり信者感出てないと良いんですが。。
もっとも動画見れば例えばわたしがトランプ不支持だっていうことは誰の目にもわかると思います。
・・・とはいえ動画で、「マジモンの変態、N/K」とか、
読みようによっては生徒にあるまじき暴言を書いてしまい(笑)
あれは申し訳ありませんでした。あれは信者って感じだと難しい発言ではないかと。
変態というのは誉め言葉のつもりなのですが
言葉が言葉だけに悪く思われたらイヤだなとか思って、少し迷いました。
白状しますが天才とペン大で韻を踏む言葉で文脈で意味が通る言葉が見つからずやむなくああなりました。
笑って許していただければと思います(苦笑)
余談ですが自分の中で変態ミュージシャンというとローランドカークが思い浮かびます。
(いや一度に楽器を複数吹いている様子が変態っぽいからなのですが、ただし、
単に盲目だからどう見えるかにあまりこだわらないだけな気がします。音楽性は変態的な感じを受けない)
あ、そういえば音楽性でいえばエリックドルフィーは変態的だなと思います。
この男の演奏は変態としかいいようながない、すげえと(笑)
> 今回、カムアウトを引き出してしまい、若干心配してるけど、少なくとも僕と、クラスメートはみんな、伊藤君がADHAであろうと何であろうと、そもそも気にもしないし笑、これからも気にしないよ。
カムアウトについて気にかけてくださってありがとうございます。
何年か前にネットですでにカムアウトはしているので、そこはご安心ください。
特にわたしをADHDと思ってなかったんですね(笑)
わたしは「あなたADHDでしょ」と言われたりすることが以前からあるので
そういう不安めいたものは持っていました。
動画を他の生徒さんたちにも見てもらったのですが、
ADHD云々ではなく単純に曲がウケてたので嬉しかったです!
そういう感じなので、BM&Cで差別的だと感じたことはないですね。
> だから、前述のどちらも、少なくとも伊藤君よりは特徴が強かったし、
生徒同士の才能を比べたらいけないけど、伊藤の方が遥かに才能がある。
これはすごい有難いです!
ただ、うう、同時にすごい心苦しい事ですが・・・どうしても申し上げなくてはいけないのは、
(公開した時に文意を無視して切り取らて突っ込まれそうな危険性がなくもないので)
美学校や過去に在籍したADHDの他の生徒さんと比べるのは、これは、
実際に認めているからこそそれを強調するためにそう書いてくださったんだと思いますが、
いけないというよりフェアではないと思うんです。
調べたら現在の美学校は楽理科の基礎科と中等科しかないようなので
今大学院BM&Cの私には数年間のアドバンテージがあるからなんです。
またご存知の通り10年くらいで作曲のソフトや機材って劇的に良くなっているので、
過去に在籍したADHDの生徒さんにしても
わたしより凄い曲を作る(もしくは知らないとこで作ってる)可能性当然あると思うんですよ!
いや、これは全然卑屈になっているわけではなくて、
BM&Cになってから初めてまともに作曲したとか、はじめてPCで曲作った、という人々が
これはまず私には作れないしやばいなこれ、みたいな曲を作っているのはまぎれもない事実なので。
経緯は色々あったにしても、
私は30過ぎて自分がラップがいきなりできるようになると思っていませんでした。
しかもこのtwitter騒動の件がきっかけという笑
正直ADHDで音楽作っててペン大生って私と属性かぶりすぎてシンパシーを感じます。
>伊藤君みたいに才能溢れる音楽家が生徒でいてくれることを誇りに思うよ。
その言葉自体を誇りにさせていただきますね。
>伊藤君が僕から受けた授業をどう感じているか僕も知りたいし笑
とても感謝の念が強いですね!
具体的には大学院までの授業(私はモードの授業から編入したのでその前は不明ですが)は先生のトークが多いので
ラジオ番組聴いてる感凄いなという(笑)感じでした。
ポリリズムの授業は打楽器使うを特殊な授業でしたが。
BM&Cを別にすればやはりモードの授業とスティーリーダンの授業が面白かったし
提出した楽曲から分かる通り、あのあたりの授業が一番勉強になりました。
BM&Cになってからはラジオ番組から参加型のTV番組みたいになった感が強かったですよ。
(ZOOMで授業やってる時に「この授業面白いからもう配信して良いんじゃないの」と言っている生徒さんがいましたが
確かに授業の様子が分かるのもあるし、私もそれはアリではとも思います。オンライン授業再開するのは独特の大変さはあると思いますが・・・)
他の生徒さんが実際に凄いやクオリティ高い曲を提出してくる人々ばかりなので、
特に最初は劣等感を覚えることが多かったですが、
最近は他の生徒さんたちと仲良くなり、今回もそうですが共作したり、情報交換やスキルを参考にできるので
入れて本当に良かったと思っています(何か専門学校生の学校紹介のインタビューみたいだなこれ苦笑)。
共作といえば前回リンク送った動画ですが、実は同時に高橋さんの方で別のよりhiphop感の強いmixを作っており
その別mixiの動画も作りました!
今日はもう時間が遅いので、このメールを一応公開予定の18日の19時以降に動画の投稿をする予定ですが、
動画のリンクはできてるので、よければこちらも視聴いただければと思います。
https://youtu.be/MOgTI2z7_Lo
本人にも伝えましたが、HIPHOPのトラックとしては高橋さんのmixの方が上だと思っています。
ラップにしても歌にしても作曲にしても課題は色々ありますが、
今後ともよろしくお願いします!
※追記
書いてたら思ったより長くなって申し訳ないです。
この追記も含め、返信なければ公開しますが、わたし個人は本当にどちらでも問題ないのでそこは安心なさってくださいね。
公開する場合は最初にわたしが送ったメールから公開します。
「確かにまず大前提として、先生から差別的な扱いを受けたと感じたことはないです」
このあたりは大事なところだと思うので、
公開する場合は、公開したことを報告するブログの最初にその部分を簡潔に書こうと思っています。
メール長いので読みずらい、という方もいると思うので。
それでは
少しでもこのメールがネット上の悲しみや怒りを浄化することにつながりますように。
-------------------------------------------------------------------------------------
4通目 菊地→筆者
From: ペン大 <■■■i@kikuchinaruyoshi.net>
To: "■■■i@yahoo.co.jp" <■■■i@yahoo.co.jp>
Date: 2021/2/18, Thu 03:08
Subject: Re: ペン大BM&C在籍の伊藤佑輔です。Twitterの件に関連して新曲の動画を作った報告です。
伊藤くん
2021/02/18 2:36
菊地先生
まずは素早いお返事をありがとうございます!
まずはエールを本当にありがとうございます。
これはこちらこそ嬉しかったです!
動画にしてブログにしても、あれだけツイッターで騒がれたことについて
書いているのでどう感じるか心配があったので安心しました。
今書いてるこのメール含めて、メールのやりとりの内容を公開するのは私は特に問題ないですよ。
はてなブログとnoteの両方(コピペしてるだけなので同じ内容)を現在利用しているので、
両方に「菊地成孔さんとADHDのペン大生徒の往復メールの記録」とか書く感じで、
twitterもやってるのでtwitterにリンクを貼る感じでどうでしょうか?
「先生」だと権威主義的な感じをもしかしたら人に与えてしまうかもしれないので。
もっともこれまでもこの後も先生と書いてますし授業でもそう呼んでいますが・・
・・・と書いたんですが、読み返すと、わたしのこの返信までをそのまま公開してほしい、
というこれは依頼ですね。。そうか。。いやそういう事だなこれは。。。
・・・了解しました。ありがとうございます。信頼していただいたと考えますね。
とりあえず公開前提で書きます。
問題の性質上具体的に書くので申し訳ないですが長いです。
そして問題なければ18日の19時に公開します。
このメールに何か問題があったり、後で気が変わったりしたら
「待って!ちょっとタンマ!やっぱさっきのなし!」
みたいな感じでメールをいただければ(笑)と思います。
内容に入りますね。
ただ、今回ね、恐らく多くのギャラリーが気にしているのは、「ADHDたる伊藤くんが、長い受講の中で、僕に差別的な扱いを受けてきたかどうか?」だと思うよ。
僕の生徒である。というリアルな当事者からのレポートなのに、伊藤君のnoteでは、僕が差別意識を持ってない根拠を、全て僕のブロマガでの発言に依拠している。
君はリアルな当事者なので、「ADHDたる(知らなかったけどさ笑)生徒として、差別的な扱いを受けたと思うかどうか?」を添えた方が良い。「ああそうか!そんなもん自分の中で前提なので、わざわざ書かなかった!」って今、思ってるでしょ?笑
→言われてみればそれは確かにそうですね(苦笑)
確かにまず大前提として、先生から差別的な扱いを受けたと感じたことはないです。
ただ、仮に何か差別的な扱いを受けていたとしても、
①ペン大で私がADHDだと公言していなかった
②このメールでも先生が私をADHDだと感じていなかったことが分かった
ので授業で先生がADHDに対して差別的ではなかった、と断言するのは論理的に難しい気がします。
しかし、前提に戻りますが、授業中に私から出ていた気がするADHDっぽさの部分について先生がそこを気にされることはなかったと思います。
ADHDっぽいというのは具体的には、
①ひとりだけ落ち着きのない無駄な体の動き(ただしこれは曲にたいするノリの良さとして現れることが私は多い)
②極端なそそっかしさ(具体的にはこの前の授業時間の変更を忘れるとか、わりと授業に遅れてくるとか、他に動画で書いた自転車無くしてそれと別のタイミングで手帳落としてて気づかなかった件。ちなみに
他に社員証とか外国で財布とか外国で眼鏡失くした後にパスポート失くすとかギター失くす(2回)とか振り返るとレベル高いのを色々失くしてますが笑)
③感情というか衝動性むき出しっぽい曲の提出
④わりと高い確率で提出課題とずれた曲を提出してしまうこと
などの部分についてです。
(仮にADHDの人じゃなくても、面倒に感じたり引いたりする部分はあると思います。ただ私はADHDと診断されてから、生き方を根本的に変えた部分があり、それでその前より付き合いやすい人にはなっていると思いますが)
ただ少なくとも私は先生が私を差別ないし軽蔑をされる感じは受けませんでした。
また先生には何かヤバイ生徒やイレギュラーな事態にも寛容に対応する度量の広さはあると前から感じています。
これなら具体的にいくつか言えるので書きますね。
例えば
①BM&Cで最初に曲を提出した時に、音圧の異常な大きさに関わらず、他の生徒さんもわりと引いていた気がする(実際どうなのかは不明)
にも関わらず、どちらかというとそこよりもアンサンブルの複雑さやメロディーの単純さなどの楽曲の構造面を評価していただいたこと。
②(これはほぼ社会人の生徒ばかりという原因もありますが)生徒の遅刻や発言について寛容(今回の私のラップに対してもですが)
③ほかの生徒さんの曲も含め、提出した曲については、それがどんな曲であっても、全部ちゃんとコメントしており、批判的な事を言う場合でも、
建設的な批判であると感じられる事(こうしたら面白いのでは、とか、好みの問題もあるから自分が感じたことだけど、という前置きをされるなど)
④後、覚えてないかもしれませんが、私はモード理論の授業の途中から編入しましたが、お願いしたら一時的にモード理論の最初の方の授業も同時に受けられたこと。
⑤私が前に曲を提出した時に、狂気の話になって、育ての親が統合失調症だった話をされて、
うろ覚えですがそこからいわゆる普通の会社員よりも社会不適合な人へのシンパシーみたいな話をされていたとこと
など、融通利く部分は多いなと思っていました。
また、前に他の生徒さんが提出曲を出す時に、書面で深刻な病気だったことを告白された際に
「これ他の生徒さんに公表して良いの?」
と書面を読み上げる前に直接確認されていたりするなど、
人が「あんまり触れられたくないかもしれないこと」について
配慮はされているなというイメージですね。
少なくとも生徒を大切にしている印象は前からあります。
差別関係の話と授業の関わりについてはこんな感じで、
わたしの証言とさせてください。
そんな信者みたいのをくれと言ってるわけじゃないよ笑
どうなんでしょうね。あんまり信者感出てないと良いんですが。。
もっとも動画見れば例えばわたしがトランプ不支持だっていうことは誰の目にもわかると思います。
・・・とはいえ動画で、「マジモンの変態、N/K」とか、
読みようによっては生徒にあるまじき暴言を書いてしまい(笑)
あれは申し訳ありませんでした。あれは信者って感じだと難しい発言ではないかと。
変態というのは誉め言葉のつもりなのですが
言葉が言葉だけに悪く思われたらイヤだなとか思って、少し迷いました。
白状しますが天才とペン大で韻を踏む言葉で文脈で意味が通る言葉が見つからずやむなくああなりました。
笑って許していただければと思います(苦笑)
余談ですが自分の中で変態ミュージシャンというとローランドカークが思い浮かびます。
(いや一度に楽器を複数吹いている様子が変態っぽいからなのですが、ただし、
単に盲目だからどう見えるかにあまりこだわらないだけな気がします。音楽性は変態的な感じを受けない)
あ、そういえば音楽性でいえばエリックドルフィーは変態的だなと思います。
この男の演奏は変態としかいいようながない、すげえと(笑)
今回、カムアウトを引き出してしまい、若干心配してるけど、少なくとも僕と、クラスメートはみんな、伊藤君がADHAであろうと何であろうと、そもそも気にもしないし笑、これからも気にしないよ。
カムアウトについて気にかけてくださってありがとうございます。
何年か前にネットですでにカムアウトはしているので、そこはご安心ください。
またご存知の通り10年くらいで作曲のソフトや機材って劇的に良くなっているので、
過去に在籍したADHDの生徒さんにしても
わたしより凄い曲を作る(もしくは知らないとこで作ってる)可能性当然あると思うんですよ!
いや、これは全然卑屈になっているわけではなくて、
BM&Cになってから初めてまともに作曲したとか、はじめてPCで曲作った、という人々が
これはまず私には作れないしやばいなこれ、みたいな曲を作っているのはまぎれもない事実なので。
伊藤君が僕から受けた授業をどう感じているか僕も知りたいし笑
とても感謝の念が強いですね!
具体的には大学院までの授業(私はモードの授業から編入したのでその前は不明ですが)は先生のトークが多いので
ラジオ番組聴いてる感凄いなという(笑)感じでした。
ポリリズムの授業は打楽器使うを特殊な授業でしたが。
BM&Cを別にすればやはりモードの授業とスティーリーダンの授業が面白かったし
提出した楽曲から分かる通り、あのあたりの授業が一番勉強になりました。
BM&Cになってからはラジオ番組から参加型のTV番組みたいになった感が強かったですよ。
(ZOOMで授業やってる時に「この授業面白いからもう配信して良いんじゃないの」と言っている生徒さんがいましたが
確かに授業の様子が分かるのもあるし、私もそれはアリではとも思います。オンライン授業再開するのは独特の大変さはあると思いますが・・・)
他の生徒さんが実際に凄いやクオリティ高い曲を提出してくる人々ばかりなので、
特に最初は劣等感を覚えることが多かったですが、
最近は他の生徒さんたちと仲良くなり、今回もそうですが共作したり、情報交換やスキルを参考にできるので
入れて本当に良かったと思っています(何か専門学校生の学校紹介のインタビューみたいだなこれ苦笑)。
共作といえば前回リンク送った動画ですが、実は同時に高橋さんの方で別のよりhiphop感の強いmixを作っており
その別mixiの動画も作りました!
今日はもう時間が遅いので、このメールを一応公開予定の18日の19時以降に動画の投稿をする予定ですが、
動画のリンクはできてるので、よければこちらも視聴いただければと思います。
https://youtu.be/MOgTI2z7_Lo
※追記
書いてたら思ったより長くなって申し訳ないです。
この追記も含め、返信なければ公開しますが、わたし個人は本当にどちらでも問題ないのでそこは安心なさってくださいね。
公開する場合は最初にわたしが送ったメールから公開します。
「確かにまず大前提として、先生から差別的な扱いを受けたと感じたことはないです」
このあたりは大事なところだと思うので、
公開する場合は、公開したことを報告するブログの最初にその部分を簡潔に書こうと思っています。
メール長いので読みずらい、という方もいると思うので。
それでは
少しでもこのメールがネット上の悲しみや怒りを浄化することにつながりますように。
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5通目 筆者→菊地
----- Original Message -----
From: "■■■@yahoo.co.jp" <■■■@yahoo.co.jp>
To: ペン大 <■■■@kikuchinaruyoshi.net>
Date: 2021/2/18, Thu 06:09
Subject: Re: ペン大BM&C在籍の伊藤佑輔です。Twitterの件に関連して新曲の動画を作った報告です。
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メールの記録は以上です。公開した2/18の19時時点までにやりとりされたメールはこれで全部です。ここまで読まれた方、感想はいろいろあると思いますがお疲れ様でした。
最後に、この往復メール3通目に出てきたトラックメーカーのD-TAK(高橋さん)によるよりHIPHOP色の強い別MIXは動画はこちらです。カッコいいから聴いて!!
JAZZDOMMUNEでペン大生として何度か楽曲を紹介されているので菊地成孔ファンの方々にはご存知の方も多いかも!
南極行って頭冷やしてこい(Go to Antarctica !Cool your head!)D-TAK Heavy Mix Ver/ Keysa & D-TAK
楽曲はsoundcloudでダウンロード可能です!(画面右上の下向きの↓を押す)
いや~高橋さん(a.k.a.D-TAK)かっけーな・・・というそこのあなた!
soundcloudにある本人のページで色々聴けるのでどうぞ!
というわけで、一度南極(北極圏でも可)行って生でオーロラ見てみたいな、と思う今日このごろです。読んでいただきどうもありがとうございました。